インスタのビジネスチャットで怪しいDMが届いたことはありませんか?「簡単に稼げる」「特別な投資案件がある」などと誘われて不安に感じる方が増えています。インスタのビジネスチャットには、副業詐欺や投資詐欺など様々な詐欺手口が潜んでおり、2025年現在も被害が拡大しています。この記事では、怪しいビジネスチャットの見分け方から、被害を受けた場合の対処法まで、あなたの身を守るための情報を詳しく解説します。
- インスタのビジネスチャットが怪しいか判断する10の見分け方
- 実際に使われている詐欺手口と最新の被害事例
- 怪しいDMを受け取った時の具体的な対処法とブロック・通報方法 ・被害に遭った場合の相談先と返金請求の方法
インスタのビジネスチャットで多発している詐欺の実態
2025年現在、Instagramのビジネスチャット機能を悪用した詐欺が急増しています。特に「ビジネスアカウント」を装った詐欺師からの勧誘DMは、一般ユーザーだけでなく、フォロワー数の多いインフルエンサーも標的にされています。
警察庁の統計によると、SNS型投資詐欺やロマンス詐欺の「当初接触手段」として、ダイレクトメッセージが大半を占めており、被害額は年々増加傾向にあります。特にInstagramでは、ビジネスアカウントの機能を使って「正当なビジネスの提案」を装うため、見抜きにくくなっているのが特徴です。
特に狙われやすい人の特徴
- 副業や在宅ワークに興味がある主婦や学生
- 投資やお金の増やし方に関心のある社会人
- フォロワー数が多く影響力のあるインフルエンサー
- ビジネスアカウントを運営している個人事業主や企業担当者
怪しいインスタのビジネスチャットを見抜く10のチェックポイント
インスタのビジネスチャットが怪しいかどうかを判断するには、以下の10のポイントをチェックしましょう。
認証バッジがない、または偽造されている
本物の企業やブランドの公式アカウントには、アカウント名の横に青いチェックマーク(認証バッジ)が表示されています。この認証バッジはInstagram(Meta社)が公式に認めた証明であり、偽造することはできません。
チェック方法
- アカウント名の横に青いチェックマークがあるか確認
- 認証バッジがない場合は、本物の公式アカウントではない可能性が高い
- 認証バッジに似た絵文字や画像を使っているアカウントは100%偽物
Instagram ヘルプセンターでは、認証バッジの確認方法について詳しく説明されています。
ユーザー名に微妙な違いがある
詐欺アカウントは、有名企業や著名人のアカウント名を巧妙に真似ています。しかし、完全に同じユーザー名は登録できないため、必ず何らかの違いがあります。
よくある偽装パターン
| 本物のユーザー名 | 偽物のユーザー名の例 |
|---|---|
| @company_official | @company.official(アンダーバーがドットに変更) |
| @brandname | @brandname_official(余分な文字を追加) |
| @celebrity | @celebrity123(数字を追加) |
フォロワー数とフォロー数のバランスが不自然
怪しいビジネスアカウントの典型的な特徴として、フォロー数とフォロワー数のバランスが極端に偏っています。
要注意のパターン
- フォロー数が数千人なのに、フォロワーが数十人
- 逆にフォロワーが数万人なのに投稿が数個しかない(購入したフォロワーの可能性)
- アカウント作成から日が浅いのに異常にフォロワーが多い
投稿内容が不自然または一貫性がない
詐欺アカウントの投稿には以下のような特徴があります。
- 札束、高級ブランド品、高級レストランの写真ばかり
- 他人の写真を無断転載している
- 投稿数が極端に少ない(10投稿以下など)
- 投稿の質が低く、統一感がない
- 「誰でも稼げる」「月収100万円達成」などの誇大表現が多い
DMの内容に典型的な詐欺の特徴がある
インスタのビジネスチャットで届く怪しいDMには、共通するパターンがあります。
詐欺DMの典型的なフレーズ
- 「簡単に稼げる副業があります」
- 「特別なあなただけにご案内」
- 「1日30分の作業で月収50万円」
- 「投資で確実に利益が出る方法」
- 「LINEに登録して詳しく聞いてください」
- 「初期費用はほとんどかかりません」
これらのフレーズが含まれているDMは、ほぼ100%詐欺と考えて間違いありません。
外部サイトやLINEへの誘導が目的
怪しいビジネスチャットは、Instagram内での会話を避け、すぐに外部のプラットフォームに誘導しようとします。
誘導先の例
- LINE(個別のトーク)
- 怪しいWebサイト(投資サイト、登録フォーム)
- Zoom、Skypeなどのビデオ通話
- 「説明会」や「セミナー」への参加
外部への誘導は、Instagram側の監視を逃れるためです。安易に応じてはいけません。
個人情報を不必要に要求してくる
正当なビジネスの提案であれば、最初から詳細な個人情報を要求することはありません。
要注意の質問
- 住所や電話番号を聞いてくる
- 銀行口座情報を要求する
- マイナンバーやクレジットカード情報を聞く
- 家族構成や年収などプライベートな質問が多い
個人情報を聞かれた時点で、そのDMは詐欺である可能性が極めて高いです。
プロフィールに具体的なビジネス内容が書かれていない
本物のビジネスアカウントは、プロフィール欄に事業内容や連絡先、公式サイトのリンクを明記しています。逆に詐欺アカウントは以下の特徴があります。
- 「自由な働き方を実現」「夢を叶える」など抽象的な表現のみ
- 具体的な会社名や事業内容が不明
- プロフィール文が不自然な日本語
- 連絡先や公式サイトが存在しない
コメント欄が不自然または制限されている
詐欺アカウントの投稿には、以下のようなコメントの特徴があります。
- コメント欄が無効化されている
- 「素敵ですね!」「憧れます!」など機械的なコメントばかり
- 本人と無関係な内容のコメントが多い
- 批判的なコメントが削除されている形跡
アカウント作成日が最近で活動期間が短い
詐欺アカウントは通報されてアカウントが凍結されることが多いため、頻繁に新しいアカウントを作成します。
確認方法
- 投稿の最初の日付を確認(アカウント作成時期の目安になる)
- 作成から数週間〜数ヶ月しか経っていないのに大量にフォローしている
- 過去の投稿が突然削除されている
インスタのビジネスチャットで使われる主な詐欺手口
インスタのビジネスチャットを使った詐欺には、様々な手口があります。それぞれの特徴を理解しておきましょう。
副業詐欺・MLM(ネットワークビジネス)勧誘
最も多いのが副業を装った詐欺です。「在宅で簡単に稼げる」などと誘い、実際には高額な教材費や登録料を請求されます。
手口の流れ
- DMで「副業に興味ありませんか?」と勧誘
- LINEに誘導して詳しい説明
- 「初期費用は少額」と安心させる
- 契約後に高額な費用を請求(30万円〜100万円以上)
- 実際には稼げない、または他の人を勧誘するMLMだった
消費者庁も「いいね!」を押すだけの副業(タスク型詐欺)について注意喚起を行っています。
投資詐欺・FX詐欺
「必ず儲かる投資法」「月利20%保証」など、非現実的な利益を約束する投資詐欺も横行しています。
典型的なパターン
- 著名人の名前を出して信頼性を装う
- 「限定○名だけの特別な投資案件」と焦らせる
- 最初は少額の利益を出して信用させる
- 高額を投資させた後、連絡が取れなくなる
警察庁のSNS型投資詐欺の注意喚起によると、個人名義の口座への振込を指定された場合は100%詐欺です。
ネットショッピング詐欺
「公式アカウント」を装い、相場より極端に安い価格で商品を販売し、代金を受け取った後に商品を送らない、または偽物を送る詐欺です。
見分けるポイント
- 認証バッジがない「公式風」アカウント
- 正規価格の50%以上安い価格設定
- 支払い方法が銀行振込のみ
- 運営者情報や返品ポリシーが不明確
フィッシング詐欺
Instagramの公式を装ったDMを送り、「アカウントが停止されます」「規約違反が確認されました」などと脅して、偽サイトに誘導しログイン情報を盗む手口です。
典型的なメッセージ
- 「24時間以内に対応しないとアカウントを削除します」
- 「著作権違反の報告がありました」
- 「認証バッジが取得できます」
本物のInstagramは、DMでこのような緊急の連絡をすることはありません。
スポンサー詐欺・PR案件詐欺
インフルエンサーに対して、企業からのPR依頼を装い、個人情報や金銭を騙し取る詐欺です。
手口の特徴
- 有名ブランドを装ったアカウントからDM
- 「商品レビューをしてください」と依頼
- 先に商品購入を要求(後で返金すると約束)
- 実際には返金されず、連絡が途絶える
本物のPR案件では、先に商品購入を求められることはありません。
認証バッジ詐欺
「認証バッジを取得できる」「公式マークを付けます」と誘い、金銭を騙し取る詐欺です。
重要な事実: 認証バッジは、Instagram公式サイトから無料で申請できるものであり、第三者を通じて有料で取得することはできません。DMで「認証バッジを提供」と言われた時点で100%詐欺です。
怪しいインスタのビジネスチャットを受け取った時の対処法
実際に怪しいDMを受け取った場合、以下の手順で対処しましょう。
絶対に返信しない・リンクをクリックしない
怪しいと感じたDMには、絶対に返信してはいけません。また、DM内のリンクは絶対にクリックしないでください。
リンクをクリックすると
- フィッシングサイトに誘導され、個人情報が盗まれる
- マルウェアに感染する可能性
- 自動的に外部サービスに登録される
返信することで「アクティブなアカウント」と認識され、さらなる詐欺DMのターゲットになります。
アカウントを詳しくチェックする
DMを送ってきたアカウントを、先ほど紹介した10のチェックポイントで確認しましょう。
確認すべき項目
- 認証バッジの有無
- フォロワー・フォロー数のバランス
- 投稿内容と質
- プロフィールの具体性
- アカウント作成日
ブロック機能を使う
怪しいアカウントは即座にブロックしましょう。
ブロックの手順
- 相手のプロフィール画面を開く
- 右上の「…」(三点リーダー)をタップ
- 「ブロック」を選択
- 確認画面で「ブロック」をタップ
ブロックすると、相手はあなたのアカウントを見つけられなくなり、DMも送れなくなります。
Instagram運営に通報する
詐欺アカウントを発見したら、Instagram運営に通報しましょう。通報は匿名で行われ、相手に知られることはありません。
通報の手順(アプリ版)
- 詐欺アカウントのプロフィールを開く
- 右上の「…」をタップ
- 「報告する」を選択
- 「このアカウント全体」を選択
- 「詐欺または偽アカウント」を選択
- 画面の指示に従って送信
通報の手順(Web版): Instagram公式サイトのなりすまし報告フォームから通報できます。
DMの設定を変更して予防する
今後怪しいDMを受け取らないように、設定を変更しましょう。
おすすめの設定
- プロフィール画面右上の「メニュー」をタップ
- 「設定とプライバシー」→「メッセージとストーリーズへの返信」
- 「メッセージリクエスト」を選択
- 「その他のInstagram利用者」を「リクエストを受信しない」に設定
この設定により、フォロワー以外からのDMが自動的にブロックされます。
スクリーンショットで証拠を保存する
万が一被害に遭った場合に備えて、怪しいDMの証拠を残しておきましょう。
保存すべき情報
- DMの内容(スクリーンショット)
- 相手のアカウント情報(ユーザー名、プロフィール)
- やり取りの日時
- 送られてきたリンクのURL
インスタのビジネスチャット詐欺被害に遭った場合の対処法
実際に被害に遭ってしまった場合、迅速な対応が重要です。
すぐに行うべき初期対応
1. 証拠の保全
- すべてのDMのスクリーンショットを撮る
- 振込明細や契約書類を保存する
- 相手のアカウント情報を記録する
2. パスワードの変更 個人情報を伝えてしまった場合は、すぐにInstagramのパスワードを変更し、二段階認証を設定しましょう。
3. 金融機関への連絡 銀行振込をした場合は、すぐに振込先の銀行に連絡して口座凍結を依頼します。クレジットカードで支払った場合は、カード会社に連絡してチャージバック(支払い取り消し)を申請しましょう。
相談すべき専門機関
消費生活センター(消費者ホットライン:188) 商品購入やサービス契約のトラブル全般について、専門の相談員が無料でアドバイスしてくれます。全国どこからでも、最寄りの消費生活センターにつながります。
警察相談専用電話(#9110) 詐欺被害の相談ができます。被害額が大きい場合や組織的な詐欺の可能性がある場合は、被害届の提出も検討しましょう。
弁護士・司法書士 被害金の返金を求める場合は、法律の専門家に相談するのが効果的です。相手方の特定、内容証明の送付、返金交渉などを代行してもらえます。多くの法律事務所が初回相談無料で対応しています。
返金請求の可能性
詐欺被害の返金請求は、以下の方法で行えます。
1. 銀行口座の凍結による返金 振込詐欺救済法に基づき、詐欺に使われた口座が凍結されれば、残高から被害額の一部を取り戻せる可能性があります。ただし、口座に残高がない場合は回収できません。
2. クレジットカードのチャージバック カード会社に不正利用を申請し、認められれば支払いが取り消されます。ただし、厳格な審査があり、申請期限(通常60日以内)もあります。
3. 民事訴訟による損害賠償請求 相手を特定できた場合、民事訴訟で損害賠償を請求できます。弁護士や司法書士に依頼することで、手続きがスムーズに進みます。
インスタのビジネスチャット詐欺から身を守るための予防策
最も重要なのは、詐欺被害に遭わないための予防です。
アカウントのセキュリティを強化する
二段階認証の設定
- プロフィール画面の「メニュー」→「設定とプライバシー」
- 「セキュリティ」→「二段階認証」
- SMS認証またはAuthenticatorアプリを選択
二段階認証を設定すると、ログイン時にパスワードに加えて認証コードが必要になり、アカウントの乗っ取りを防げます。
強固なパスワードの使用
- 大文字・小文字・数字・記号を組み合わせた12文字以上
- 他のサービスとの使い回しを避ける
- 定期的に変更する
プライバシー設定を見直す
アカウントの非公開化 一般人の場合、アカウントを非公開(鍵アカウント)にすることで、見知らぬ人からのDMを減らせます。
フォロワーの定期チェック 定期的にフォロワーを確認し、怪しいアカウントがあればブロックしましょう。
「美味しい話」には必ず裏があると心得る
詐欺の常套句を覚えておきましょう。
詐欺確定のフレーズ
- 「簡単に」「誰でも」稼げる
- 「絶対に」「確実に」儲かる
- 「今だけ」「限定」「特別に」
- 「リスクなし」「ノーリスク」
現実には、簡単に大金を稼げる方法は存在しません。甘い話には必ず裏があると考えましょう。
公式情報を必ず確認する
企業やブランドからのビジネス提案を受けた場合は、必ず公式サイトで確認しましょう。
確認方法:
- 企業の公式サイトを検索し、Instagramアカウントのリンクを確認
- 公式サイトに記載されている連絡先に直接問い合わせる
- InstagramのDMではなく、公式サイトから問い合わせる
本物の企業であれば、Instagram以外の正式な連絡手段が必ず用意されています。
よくある質問
Q1: ビジネスアカウントからのDMは全て詐欺ですか? いいえ。正当な企業もビジネスアカウントを使っています。認証バッジの有無、公式サイトでの確認、具体的なビジネス内容の記載など、総合的に判断しましょう。
Q2: 一度返信してしまったらどうすればいいですか? それ以上やり取りを続けず、すぐにブロックしてください。個人情報や金銭を渡していなければ、大きな被害にはなりません。
Q3: 友達が詐欺アカウントをフォローしているようです。教えるべきですか? はい。優しく注意喚起してあげましょう。詐欺の特徴を具体的に説明し、公式サイトで確認するようアドバイスすると良いでしょう。
Q4: ブロックや通報をすると相手に分かりますか? ブロックは相手に分かりますが、通報は匿名で行われるため相手に知られることはありません。
Q5: 被害金を取り戻せる可能性はどのくらいですか? ケースバイケースですが、早期対応が重要です。振込から時間が経つほど、相手が資金を引き出してしまう可能性が高まります。被害に気づいたら、すぐに銀行と警察に連絡しましょう。
まとめ:インスタのビジネスチャット詐欺から身を守るために
インスタのビジネスチャットが怪しいかどうかを見分けるには、認証バッジの確認、ユーザー名のチェック、フォロワー数のバランス、DMの内容など、複数の視点から総合的に判断することが重要です。
2025年現在も、副業詐欺、投資詐欺、フィッシング詐欺など、様々な手口が進化し続けています。「簡単に稼げる」「特別な案件」といった甘い誘惑には、必ず裏があると心得ましょう。
怪しいDMを受け取ったら、返信せずにブロック・通報し、万が一被害に遭った場合は、すぐに金融機関、消費生活センター、警察に相談してください。
日頃からアカウントのセキュリティを強化し、プライバシー設定を見直すことで、インスタのビジネスチャット詐欺から身を守ることができます。少しでも「おかしい」と感じたら、慎重に確認し、安易に信用しないことが最大の防御策です。
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